Suo Gân(ウェールズの子守唄)

お陰様でチケットはsold outしておりますが、明日のコンサートで演奏させて頂きますウェールズ民謡“Suo Gân”をご紹介させて頂きます。

ウェールズはグレートブリテンおよび北アイルランド連合王国の四つの国(Country)のうちの一つで、グレートブリテン島の南西部に位置します。ケルト系民族ブリトン人が住んでいる国で、ケルト系民族がこの地に移り住んだのは紀元前数世紀にさかのぼります。ローマ帝国時代には支配を受け、5世紀からはアングロ・サクソン族との戦いが続き、ブリトン人たちはスコットランドやウェールズへと追いやられました。イングランド王国との戦いが続くと同時に、中世には小さな部族国家が乱立し勢力争いをしました。13世紀にはウェールズ公国が成立し、15世紀の薔薇戦争ではウェールズのリッチモンド伯が勝利し、ヘンリー7世としてイングランド王の座を得てテューダー朝時代を築きました。

かの「アーサー王物語」はアングロ・サクソン族と戦ったブリトン人の王の物語といわれています。

最近、ジョージR.R.マーティンの『氷と炎の歌 (A Song of Ice and Fire)』を原作としたアメリカのテレビドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ(Game of Thrones)』にはまっていますが、中世ヨーロッパの世界観をもつこのドラマからも沢山の国が乱立して勢力争いをするウェールズの歴史への想像力を掻き立てられます。

“Suo Gân”はウェールズの子守唄でウェールズ語で歌われます。ウェールズ語はケルト語系に属していて、独特の語感を持っています。

chは喉びこを震わせる音で、rは強めの巻き舌。声楽をしている私にはドイツ語の語感が思い起こされます。

この曲は1987年にスティーブン・スピルバーグ監督の映画『太陽の帝国(Empire of the Sun)』に登場します。日本軍の零戦に憧れるイギリス人少年が歌う“Suo Gân”と、日本兵が歌う信時潔《海ゆかば》がコラボレーションする名シーンが印象的です。

若者たちの命を震わせた《海ゆかば》の旋律も、こうして聞くと懐かしさや哀愁すら感じさせます。ウェールズの子守唄から、改めて日本の旋律、信時潔の音楽の本質を改めて考えさせられました。

Opera Gala Concert

非常勤副手として勤めておりますフェリス女学院大学でのコンサートです。

私は今年度から学部「オペラ・アンサンブル」、大学院「オペラ研究」の二つの講座で非常勤副手として勤めさせていただいております。私のような者には、とても大きな仕事で、日々反省をしながら授業に関わっています。

学生の皆さんはとても意欲的で、毎回アドバイスを求めてくれます。多少なりとも音楽での舞台を経験した先輩として、それぞれの学生の個性を大切にしつつ助言できればと思っています。

二つの講座を合わせると、とてもたくさんの演目を担当しており、私自身も本番までしっかり勉強して臨みたいと思います。

フェリス女学院大学《オペラ・アンサンブル》履修生によるオペラ・ガラ・コンサート

2018年3月19日(月)15:00開演(14:30開場)
於フェリスホール
入場無料

フェリス女学院大学大学院《オペラ研究》履修生によるオペラ・ガラ・コンサート

2018年3月20日(火)13:30開演(13:00開場)
於フェリスホール
入場無料

どちらの演奏会も整理券が必要ですので、ご来場希望の方は問い合わせフォームよりご連絡お願いいたします。

ロジャー・クィルター《3つのシェイクスピアの歌》 Op.6

チケットは完売によりホームページでは告知をしておりませんでしたが、2月25日(土)のコンサートで演奏させていただくロジャー・クィルター《3つのシェイクスピアの歌》Op.22をご紹介させていただきます。

ロジャー・クィルター(Rodger Quilter:1877~1953)はサセックス生まれのイギリスの作曲家。1879年生まれの滝廉太郎より2歳年上ということになります。父ガスパード・クィルターは株やビジネスで成功し、1897年に準男爵となりました。クィルターは続きを読む →

博士学位審査演奏会終演(付録・演奏会プログラム)

ご来場いただきました皆様、お手伝いいただきました福島研究室の後輩の皆さん、共演者の皆さま、そしてご指導いただきました先生方、多くの方々に支えられ、去る2018年2月17日、学位審査演奏会を終えることが出来ました。
私にとって博士課程は、学生としての自分と演奏家としての自分との間での迷いの連続でした。自らのテーマをもって道を切り開いていくことの難しさに、あきらめそうになったこともありました。
今回、学位審査演奏会で取り扱った作品たちは、私に改めて歌う事の本質続きを読む →

松平頼則とアレクサンドル・タンスマン

学位審査会で演奏する松平頼則(まつだいらよりつね)とアレクサンドル・タンスマンについてご紹介したいと思います。

松平頼則は、徳川の流れを汲む松平頼孝(よりなり)子爵の長男として、1907年(明治40年)5月5日、東京小石川久堅町に生れました。彼の名は、父頼孝の「頼」と、外祖父徳大寺実則(とくだいじさねつね)公の「則」を取って頼則と命名されました。祖父頼策(よりふさ)は常陸府中最後の(10代目)藩主です。外祖父徳大寺実則は、東山天皇の血を引き、宮内卿、内大臣、明治天皇の侍従長を勤めました。続きを読む →

信時潔《小倉百人一首より》・フェリックス・ワインガルトナー《日本の歌》Op.45

学位審査会で演奏する信時潔《小倉百人一首より》とフェリックス・ワインガルトナー《日本の歌》Op.45をご紹介させていただきます。

信時潔は、山田耕筰に遅れること一年、1887年の生まれです。父吉岡弘毅(よしおか  こうき)は、陽明学を学び、尊王攘夷派として戊辰戦争に従軍した後、外務権少丞として外務省における日朝外交最初の担当者として国交樹立を試みたが失敗し、1874年に征韓不可の建白書を左院に提出しました。続きを読む →

山田耕筰《Two Legendry Poems of old Japan》〈The Bell of Dôjôji〉

博士学位審査演奏会で演奏する山田耕筰作曲《Two Legendry Poems of old Japan》より〈The Bell of Dôjôji〉の紹介をさせていただ来たいと思います。

山田耕筰は、1914年にドイツ留学から帰国すると、留学を支援した岩崎小弥太主催による東京フィルハーモニー管弦学部の指揮者として活動をします。しかし、山田にとって最初の交響楽運動が失敗に終わります。続きを読む →

「日本歌曲」

《翼をください》の作曲者で音楽プロデューサーでもある村井邦彦さんとお話をさせていただく機会を得て、私はこのような質問を受けました。

「君はドクターコースで日本歌曲を勉強しているようだけど、日本歌曲とはどのようなものなのかねえ?」

私は後頭部を打たれたような気がしました。一介の大学院生として日本歌曲を勉強しているつもりでいた自分でしたが、私は「西洋の音楽文化を受けた日本人が、西洋の芸術歌曲にならって創作したもので、童謡や唱歌とは違うものです。」というようなあいまいな持論を答えることしかできませんでした。続きを読む →

田中俊太郎です。

声楽家(バリトン)として歌曲、オペラ、宗教作品、ミュージカル、合唱指導、声楽指導を専門のフィールドとして活動しております。
日本の歌の奥深さ、面白さを伝えてけるよう活動してまいります。

このホームページは、私自身の活動のお知らせや、ちょっとした勉強の成果発表の場として活用していこうと思っております。毎日更新!というような感じはなかなか難しいですが、たまにのぞきに来ていただけると嬉しいです。

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田中俊太郎博士後期課程学位審査演奏会

長い学生生活の最後の演奏会です。

山田耕筰、信時潔から、ワインガルトナー、タンスマン、そして学位論文でテーマとした松平頼則(まつだいら よりつね)の作品を取り上げます。和歌や日本の物語などを主題とした作品たちです。タンスマンにちなんだ橋本国彦の珍しいピアノ作品も予定しています。

等身大の自分で心をこめて演奏いたします。

2018年2月17日(土)

開場 | 13:30 開演 | 14:00

会場 | 東京藝術大学音楽学部 第6ホール

入場無料