世界遺産の富岡製糸場首長館にてコンサート無事終演致しました。
プログラムは、フランスに縁のある140年前のアップライトのスタンウェイにちなんでフランスと日本をテーマにフォーレ、ラヴェル、橋本国彦、松平頼頼らの歌曲を取り上げました。
文明開化、殖産興業、富国強兵…。明治以降の音楽を学ぶ上でもよく耳にする言葉。
日本人はアジアでいち早く西洋に習い、また西洋への憧れを持ちながら国を発展させてきました。と、教科書的なストーリーを当たり前のものとしてきましたが、実際に富岡製糸場のスケールや一世紀以上前の工業機器を見ると、それらの技術が日本の経済に及ぼした変革の大きさに驚かされました。
富岡製糸場で一番最初に用いられた機械もフランス製とあれば、当時の日本人たちがフランス文化に抱いた憧憬も想像に難くありません。
時代は驚きや感動と共に動いている。そうしたことに肉薄できるのも芸術のもつ力なのかなと大それたことも考えてしまう本番でした。
スイス、バーゼルで歌曲伴奏でマスターを取得された須郷愛未(すごうあいみ)さんのピアノ。彼女はスイスでリートと日本歌曲の比較研究をされたそうです。
須郷さんとの演奏は稽古の時から刺激的で、改めて自分の中の「歌曲愛」に気付かされました。
地元の新聞に取り上げていただきました!