東京芸術大学在学中、演奏芸術センターでは多くの企画に出演し、たくさんのことを学ばせていただいてきました。
2019年3月20日、センター長である大石泰(おおいし ゆたか)先生の「東京藝術大学演奏藝術センター退任記念演奏会 大石泰全仕事 2004.4-2019.3」に出演させていただきます。
先生は私が学部に入学した2004年に芸大に赴任されました。それまでテレビ朝日のプロデューサーでいらっしゃった大石先生は奏楽堂における数々の演奏会を企画され、それらは芸大と社会の垣根をなくし、多くの人々に芸大の音楽に接する機会となってきました。
音楽学部において社会に開かれている芸大のイメージを作ってきたいちばんの立役者が大石先生と故・松下功先生であると思います。
今回の演奏会の第一部は「最終講義 コンサートを企画する愉しみ~それは6体の着ぐるみから始まった」ですが、学部一年生だった私は6体の着ぐるみの中の一体として大石先生の芸大の最初の企画に参加させていただきました。
大学院に入ってからは「さすらいのギュン太郎、また旅日記」ほか、数々の演奏会に出演させていただいてきました。私は昨年度をもって長い学生生活を終えましたが、大石先生は本年度をもってご退官です。
大石先生がご在任の期間に学生生活を送り、先生から多くのことを学ばせていただきましたこと、あらためて感慨をもって思い返します。
世の中に音楽を広く伝えていくために必要なことを、目の前で身を以て体現されてきた先生のお姿は、これからの私の音楽人生にとって最も大切なものの一つであることは間違いありません。
大石先生の芸大での最後のお仕事に携わることができることに感謝の気持ちをこめて、演奏させていただきたいと思います。